2022/06/06

デルタ電子の電気自動車充電管理システム DeltaGrid ®EVM
オランダの築35年ビルが低炭素新時代対応へ

「ゼロエミッション」、「低炭素型交通」は各国の政府と企業の気候変動アクションに関するキーワードとなる中、電気自動車はさらに普及し、各企業は従業員や来客の充電ニーズに対応すべく相次いで充電スタンドを設置しています。 しかし、古い建物は既存のケーブルと配電上の問題で大幅な配置変更には制限があり、充電スタンド新設の要件はブレーカーのショートや安全上の問題の発生や、貯蔵システムや太陽光発電システム利用に伴う電力コスト増加、電力会社によるピークタイムの電力管理措置への対応など、いずれも企業が低炭素時代に対応して、グリーン競争力を高めるために向きあわなければいけない課題です。 

オランダのホーフトドルプに位置するデルタ電子の欧州本部は築35年のビルですが、建設当初は電気自動車の充電ニーズを考慮していなかったため、電力容量に上限があり、大幅な改造は困難と思われました。 しかし、2021年10月に、屋上に太陽光発電システムと電力貯蔵システムを設置することで充電スタンド16基の設置が可能となりました。それは、 導入以来、電力容量が超過することがないばかりか、毎月のオフィスの電気代が15.64%削減されるなどの効果も確認されています。 その鍵を握るのは、AIで電力を分配、スマート充電を実現する電気自動車充電管理システムソフトウェアであるDeltaGrid® EVMにあります。これは、市場ではまだ少ない充電スタンド、太陽光エネルギー、電力貯蔵、電力使用を統合した充電管理システムです。 

低炭素型交通へ対応 古い建物への充電スタンド設置を実現 

EUの電気自動車充電調査によると、自動車オーナーの90%は夕方帰宅後に充電するか、翌日早めに出社して会社の充電スタンドを使用するとされ、2つのピークタイムを形成しています。 デルタ電子欧州本部ビルの電気消費記録より、2022年の事務所で充電している電気自動車台数は既に2018年の2倍に達していることがわかりました。 ここ2年間は新型コロナウィルスの影響で多くの従業員が在宅ワークのため、毎日4-6台しか充電していませんでしたが、午前の充電ピークタイムは事務所の総電力消費量の70%を占め、グリッド指定容量を超えることさえあり、 それが管理者が電力消費量制限を増やし、毎月の電力会社への固定料金支払が増加する要因になっています。 




このグラフから、既存の電力インフラの場合、充電ピークタイムにスマート充電を実現することが、電気自動車時代の建物とエネルギー管理のカギになることがわかります。 エネルギー貯蔵の追加と太陽光の自家発電がピークタイムの消耗を減らすことが出来る場合、古い建物でも既存の電力インフラをより活用することができます。 

デルタ電子欧州本部ビルにおいては、その履歴から過去の負荷曲線を分析し、電気自動車の充電ニーズを予測した後、電気自動車24台を同時に充電できる16基のAC/DC充電スタンド、毎年42,300 kWhのグリーン発電できる50kWの屋根設置型太陽光発電システム、最大293 kWhを貯蔵できる1基100kWの電力貯蓄システムの設置を決定し、電気自動車管理システムDeltaGrid® EVMが電気自動車充電と太陽光発電/貯蔵調節の中心的役割を果たしています。 

負荷調整と電力分配でスマート充電を実現 

機器の監視を重視する従来の充電管理システムと異なり、デルタ電子の充電管理システムDeltaGrid® EVMは充電スタンド、電力負担、太陽光発電と電力貯蔵の一本化した管理を行い、充電サービスの維持、電力分配の最適化、費用構造の最適化を実現しながら企業の低炭素など様々な目標を達成できます。 管理方法については三段階に分かれています。

充電スタンド管理:電気自動車と充電スタンドは電力消費の多い設備ですので、ビル全体の負担管理を導入しています。 

負荷調整(Load Management):グループ化やスケジュール機能で充電の優先順位を決定して、エリアと時間帯を分けた負担管理を実行します。 例えば、駐車時間の短い来客やVIPは優先的に充電し、駐車時間の長い従業員は順番に充電して充電ニーズを分散させることでピークタイムに過剰負担または契約容量超過による罰金を回避したり、グループ化と制限機能を統合して、各エリアの最高合計発電量を制限して、特定ケーブルへの電気集中によるショートや火災を防止したりします。

貯蓄システムと太陽光発電システムの統合:太陽光発電を導入することでピークタイムの購入ニーズを減らして、オフピークの安い電力と太陽光エネルギーを貯蔵システムに貯蔵することで、次のピーク電力の需要を調節してピーク平坦化の目的を達成します。 電気代の支出削減のほか、効果的に再生エネルギーを利用することでエネルギー利用率を高めることができます。 





AIアシスト自動調節で電力使用効率を持続的に向上 

電気自動車管理システムDeltaGrid® EVMはAIアルゴリズムと統合して、システムが毎日電力消費情報を分析し、長期的に最適な電力調節モードを提案します。 稼働日の早朝、システムが電力消費量、太陽光発電量の履歴をベースに、休日の状況や気象データを考慮して、当日の供給が必要な貯蓄量を推定して、最終的に適切な時間で自動充電します。 従業員が出社後、電気自動車充電要求に対応します。システムは優先的に太陽光発電で電力供給し、現在の電力合計消費量が設定値を超える場合、貯蔵システムが電気を供給して増加する電力消費要求を平坦にします。 その時点で大量の充電要求がない場合、太陽光発電で外部から購入する電力量を減らし、まだ余剰がある場合は予備として貯蔵システムへ貯蔵します。 休日に日照時間が十分な場合、太陽光および貯蓄システムで完全にビルの基本電力消費に対応でき、外部からの購入の必要がなくなり、自給自足を実現します。 

これを繰り返すことで、デルタ電子欧州本部はシステム導入後に15.64%の電力消費を削減し、電気自動車の充電要求による電力消費のピークが緩和されて、電力消費に関する支出の減少に成功しました。 ヨーロッパの電力価格が高騰している場合は、同時に適切な管理、調達、分配を行って電力料金、グリッド電力供給サービス費用、エネルギー税などを削減しました。 稼働時間が長くなると、データが更に蓄積され、AIによる最適化効果が更に顕著になります。 

低炭素化の流れに対応するため、充電管理要求がより顕著で切迫しています。デルタ電子はエネルギー管理のトップ企業として、2018年に交通機関の100%電気化を推進するEV100の加入を宣言し、全世界の事業所に充電フレンドリーな設備を次々導入しています。 傘下企業の充電エネルギー貯蔵管理ソリューションの統合と展開によって、自動車充電インフラのエネルギー使用効率を高めます。 電気自動車管理システムDeltaGrid® EVMは世に送り出され現在まで世界各地で電力配置に制限があり弾力性の乏しい事業者、工場、古い建物に対して電気自動車フレンドリーな環境を無理なく構築し、低炭素型、電気交通機関の時代を受け入れるための支援を続けています。
 

ニュースソース:台達能源基礎設施暨工業解決方案事業群