2022/08/08

工場内の電力最適化支援 デルタ電子の電力保存で三新實業のグリーン化を加速

近年、世界的メーカーが相次いでRE100に加盟し、100%再生エネルギー使用とサプライチェーンのグリーンエネルギー化を目指しています。 南台湾で化学溶剤回収処理に長年従事してきた三新実業股份有限公司はサプライチェーンのグリーン化の流れへ対応すべく、屏南工業区内の新工業区にデルタ電子の電力貯蔵システム(250kW/528kWh)を建設し、140kWの太陽光パネル、エネルギー管理システムDeltaGrid® と組み合わせて工場内の電力を調整しています。 2022年初頭より稼働を開始した新工場は、エネルギー管理で負荷曲線の最適化により、工場の契約容量を600kWから400kWへ減少を成功し、契約容量を超過することなく、毎月の基本料金を減らししました。 中小企業としていち早く再生エネルギーと電力保存の設備を導入した三新実業はグリーン化により化学溶剤回収業の変革を自ら牽引し、半導体サプライチェーンでビジネスチャンスの積極的な獲得を目指しています。
 



グリーンエネルギー導入で産業競争力を向上

三新実業は将来、製造業が持続的な経済への対応としてグリーン発電設備が標準化されることを予見しています。 そのため、中核事業である廃溶剤リサイクルを循環経済の一環としながら、リサイクル処理の過程でグリーン電力を採用して顧客によるサプライチェーンのグリーン化を支援し、最終顧客のRE100のコミットメントに対応することを目指しています。

日照時間が十分な屏東地区は太陽光発電で有利です。太陽光発電システムはは毎日平均約4.5時間の日射照度で全電力の発電が可能です。 三新実業屏東工場は地理的メリットを活かして、事業の転換として工場周辺の空地に初めてデルタ電子の太陽光発電インバータ(PVインバータ)を採用した容量2MWの地面設置型太陽光発電設備を建設しました。その後、工場、駐車場の屋上に容量140kWの太陽光発電設備を設置し、グリーン電力は工場内の廃溶剤回収設備に使用されます。
 


しかし、太陽光発電設備の設置でグリーン化の転換が完了するわけではありません。 グリーン電力の供給と需要のミスマッチ、発電と電力消費時間の不一致などの問題は太陽光発電システムの効果を大幅に低下させます。 例えば、夜間設備は太陽光発電の電力供給がないためグリッドから電力を購入する必要がありますが、週末に産出した電力や平日の余剰電力は放棄せざるを得ません。 そのため、太陽光発電システムの設置後、グリーン電力を活用して太陽光発電の利用率の最適化させることが三新実業の新たな課題です。 

また、近年発生している停電も三新実業が電力供給の安定性を事業運営において重視するきっかけとなり、工場の電力供給を確保するために事前準備を可能にすることを目指しました。そのため、電力保存システムに着目して、太陽光発電システム用の高性能変圧器の企画と設置を行うデルタ電子へ依頼しました。

太陽光、エネルギー貯蔵・管理を統合して工場の電力消費を最適化

三新実業屏東工場が選択したデルタ電子の工業・商業用電力貯蔵システムソリューションは、125kWの電力調節器2台と176kWhの蓄電池収納キャビネット3台で合計528kWhの電力が保存可能であり、エネルギー管理システムDeltaGrid®でエネルギーの調節とモニタリングを実行します。 太陽光、エネルギー貯蔵・管理を統合して工場の電力消費を最適化 電力・エネルギー設備計画の詳細に精通していない三新実業にとって、デルタ電子の一本化したサービスは電力貯蔵システム導入に大きなメリットをもたらし、導入前のシステム計画の評価から導入後のメンテナンス、教育訓練に関して現地の専門チームがすぐに完全サポートしました。 
 


電力貯蔵システムの利用

負荷移動による太陽光エネルギー利用率向上: 三新実業屏東工場では工場の電力量の40%を太陽光発電による電力供給で賄っています。休日や工場が稼働していない時間帯に産出したグリーン電力はシステムに貯蔵して、平日の設備稼働時に利用することができます。 電力貯蔵システムで太陽光エネルギーを移動することで、「ロス電力」の発生を防止し、太陽光エネルギーの利用率を最大化できます。

ピーク時との電力量の格差を減らして工場内の電力消費を最適化:三新実業が採用したデルタ電子のエネルギー管理システムDeltaGrid® はユーティリティ電力、太陽光発電、工場内の負担、貯蔵システムを統合し、全ての電力の供給、消費に関する情報をデジタル化し、工場スタッフが短期、中期、長期の電力利用の変化を分析することで、最適な電力配分方法を特定することができます。 エネルギー管理システムによって、太陽光エネルギーと電力貯蔵システムの充電、放電のスケジュールを設定することも可能です。 例:日中は太陽光エネルギーで工場内設備の電力供給を行い、雨天などで電力供給不足またはピーク時に設定値を超えた場合、電力貯蔵システムをコントロールして放電をサポートし、工場内の電力消費量を安定した範囲にコントロールします(下図の赤線参照)。 この方法は、短期的には契約容量超過によるペナルティーを回避し、長期的には負荷曲線を平坦にすることで、工場が最適な契約容量を見つけ、基本電気料金の削減に貢献します。
 
エネルギー管理と調節 工場全体の電力消費が安定(赤線)
 
電力バックアップ:この電力貯蔵システムの構成は、工場にバックアップ電力を供給する柔軟性も保持。 予期せぬ停電が発生した場合、廃溶剤のリサイクル作業が中断され、再度プロセスを開始しなければならないため、人件費と時間的コストが増加することを考えると、デルタの貯蔵システムの緊急バックアップ機能は、三新実業は停電による工場操業中断のリスクを減らすことができます。
 

 
デルタ電子をビジネスパートナーとして三新実業はグリーン発電を展開

三新実業屏東工場におけるデルタ電子の電力貯蔵システムは今年(2022年)5月に正式に稼働を開始し、太陽光発電とエネルギー管理の組み合わせにより、すでに工場内の電力消費のスケジューリングに成果を発揮しています。  屏東工場の契約容量は建設当初600kWに設定されていましたが、 太陽光発電と電力貯蔵による調節で現在は400kWまで減少しています。工場の操業に影響することなく毎月の基本電気料金を削減し、事業者のランニングコストを削減しています。 

現在、三新実業の屏東新工場は操業を開始したばかりで、生産能力を完全に稼働していません。  同社は国内での半導体廃溶剤処理需要の増加を見込み、屋上太陽光発電システムを300kWに、蓄電システムを500kW/1056kWhに拡張して、工場で消費するグリーン電力の発電量を増やし、100%グリーン電力化を着実に進行する企業となり、RE100の目標を達成することを目指しています。  最終的には、従来製品の価格競争から脱却し、グリーン競争力で化学溶剤リサイクルのビジネスチャンス獲得を目指しています。 
 

ニュースソース:台達能源基礎設施暨工業解決方案事業群