デルタ・コンテナ型電力貯蔵システム

デルタ・コンテナ型電力貯蔵システムの管理・制御に、デルタ・ビル制御システムを使用しています。空調、照明、防火、防水検出、その他コンテナ内の多様な環境条件をコントロールする設備を統合、ハードウェア制御装置を追加購入する事も無いため、実装の時間とコストを節約することができます。さらに、ウェブベースのユーザー・インターフェースを介して、遠隔監視・制御が容易になり、円滑なリアルタイムでの管理および制御システムが実現できます。

背景:
デルタ・コンテナ型電力貯蔵システム(ESS:Energy Storage System)はデルタの自社開発ソリューションです。ショッピングモールやデータセンター、屋外公開イベント、停電復旧等など、電力負荷変動の大きい事業者に対応可能なソリューションとして可動コンテナに、標準モジュール化された電力貯蔵電池ユニットを統合、電力の可動性を向上させました。これにより何時でも素早く電力供給を可能とするソリューションをとして提供できます。しかも、必要に応じて電池ユニット/コンテナ数を増減する事で電力容量を調整でき、過剰な投資を抑えることができます。また、ESSコンテナは管理者が常駐しない郊外地域に配置される場合も多くありますが、自動化されたコンテナ内環境管理・制御システムにより、権限委譲されている管理者がリモートネットワーク接続により遠隔地で、温度、湿度、照明、防火その他、全ての環境状況を制御可能です。

挑戦:
様々な分野において使用されるESSコンテナには、安全性を確保するための高い耐久性が厳しく求められています。特に熱管理は重要で、電池の寿命を維持するために電池周囲の環境温度の上昇を抑える事は必須です。さらに熱管理が重要な理由は、UPSや消防非常用電源でよく使われている鉛蓄電池の副産物である水素ガスの濃度が安全基準を超えた場合、爆発の危険に繋がることです。従って、ESSは常時適切に管理された環境において監視・運用されることが必要となり、ESSコンテナの高い可動性を考慮すると、自動化された制御システムがレガシーな人的制御方法より有用性の高いシステムとなります。エアコン、照明、防火、防水検知、その他を含むESSコンテナにあるサブシステムを自動化システムにより統合しより良い制御を可能とした、ESSコンテナ全体を制御するための先進のソリューションが必要です。

デルタソリューション:
迅速な統合、実装コストと時間を節約
デルタ・ビル制御システムの自動化サーバーは、多様な既存サブシステムを高度なシステムに統合します。一台のコントローラで業界において一般に使われている多様なデータ通信フォーマットをサポートできます。それにより、空調、照明、防火、防水探知などを含む室内環境を制御できる全ての設備を有効に統合できます。既存システムを利用するので、新たに環境制御装置を購入する必要が無く、実装時間とコストを節約することができます。

自動制御による管理工数削減
専用のI/Oモジュールとあわせて自動化サーバーはプログラム可能なコントローラとなります。また、より多くのデータ入力装置(センサー等)を利用して、リアルタイム監視・制御を実現するより多くの機器の入出力を統合管理します。これにより、警報、スケジューリング、トレンド記録を含む高度なオートメーション化された機能を実現、強化し、管理時間と手間を削減できます。

IPベースのウェブインターフェースにより、遠隔監視・制御が実現
現場でのタッチパネルインターフェースを用いた操作、または遠方でのリモートパソコンを用いたウェブ制御インターフェースによる操作により、管理者が何時でも電圧と電流、電池温度その他を含む電池キャビネットの状況を瞬時に監視・制御できます。電力貯蔵システムの気温と水素ガス濃度、水に対する特殊な条件から、自動化サーバーが異常を感知すると、自動的に特定の制御設備の起動・停止をし、直ちに環境に適合させる必要があります。例えば、自動化サーバー上の設定値より高い水素濃度が検知されると、システムが自動的に換気扇と送風機を起動すると同時に、警報を起動し、即時警告メッセージを管理者に送ります。また、消防設備に異常が検知された場合は、即時警告のために警報が発信されます。